昔々、日本には美しい竹林がたくさんありました。

食べること・着ること・住むことに深い結びつきがあった竹は いつも人々のすぐそばにありました。

 

神様とのまつりごとの時にもしばしば竹は使われ
一年中さわさわと緑の葉をたくわえてまっすぐ上へ伸びる竹は生命力を象徴するおめでたいものでした。

 

大切に育てられた竹が凛と立ち並ぶさまは
日本の素晴らしい風景を印象づけるものでした。

しかし時代の変化とともに
竹よりも簡単に生活を助けるものはたくさん生まれ
人々はあっという間に竹ではないものをどんどん取り入れていきました

新しいもののおかげで生活はどんどん豊かになりました。

 

そんな生活が幾年もつづいたあと、はたと気付いた人がいました。
「竹藪が荒れ果てている」と。

 

手入れをされない竹はひとりでに生長をつづけ

みさかいなくあちこちに根をのばし

美しかった竹林はみるかげもなくなってしまいました。

 

 

 

豊かになった暮らしを手放すわけにはいかないので人々は考えました。

「竹を使って新しい風景を創ろう」と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

切り出した竹に無数の穴をあけ中にあかりを灯すと

光がやわらかく踊りだしました。

 

そしてその光る竹を見る人の顔は自然とほころびました。

見る人の心を灯す。

それが竹あかりです。

心を整え目を瞑り手を合わせ
先人達と竹への感謝の念をもって
今日のわたしたちは竹を切ります。

 

「想いをこめたものにはいつしか心が宿る」 そう信じて、
あたらしい日本の風景を創ります。

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