朽ちてゆくだけの、荒れ果ててどうしようもない竹やぶから竹を切ってきた。
1年以上かけてゆっくり乾燥させる。
竹と対話しながら、丁寧に丁寧に小さな穴をあけてゆく。
中にろうそくの火を灯そう。
小さな点の集合体が、生き生きと踊りだす。
なんだろう。なんでだろう。
あの山に生えていた竹とは思えないほど美しい。
山が喜んでくれる。 そこに住む人たちも喜んでくれる。
竹あかりのゆらめきを見た人も喜んでくれる。
そうか。
こうやっていけば、いつかきっと僕の目指す世界を見ることができるかもしれない。